ウパから見える植物園にはきっとたくさんの生物が共存しているのだろう。朝は小鳥の囀りが聞こえるが、夕方はカラスの鳴き声が大音量だ。みんな寝床に帰って来るんだろうな。
最近はあっという間に真っ暗になってしまって、最後の時間のお客さまは暗い、漆黒の窓を眺めてびっくりする。
幼稚園の時、園庭の隣に蔦が張り巡らされた一軒家があった。みんなで魔女の家と呼んでいた。普段は明るい時間しか魔女の家を見る機会がなかったのでそれほど怖くなかったんだけれど、年長の時のお泊まり会の夜、暗闇の中の魔女の家の存在が怖くて怖くて仕方がなかった。 毎夜、灯りが一つもないウパの外の森を見てその事を思い出す。魔女の森。
「一人の時、この暗闇、怖くないんですか?」
お客さんに聞かれた。
怖い、怖いと思ったら音楽の音量を上げて小躍りするようにしている。
その姿を人に見られる恐怖もあるけれど、見られていないと信じて小躍りする。
これからきっと、四季折々の、いろんな景色がこの窓から見えるんだろう。みなさんも外を眺めながら思い思いにお過ごしください。
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